ミニトマト

#ミニトマト 生産者Story|北海道富良野市麓郷|

  • 自然農法
  • 有機栽培

本当に体に良いものを追求

栽培中のミニトマトを手に笑顔の山本さん

富良野市麓郷の共済農場
山本さん

もとは業務用機械の設計士だった山本さん。
世の中の役に立てる仕事をと考えた時、農業に行き着き、富良野市農業ヘルパーの第一期生となったそうです。就農当初は、慣行栽培(農薬や化学肥料を使用する従来型の栽培のこと)を行っていたそうですが、「運命の出会い」が訪れ、自然農法に目覚めたそうです。
相場の大暴落や生死をさまよう怪我に見舞われ【本当にからだに良いもの】の追求に専念されている山本さんです。

農薬、化学肥料当たり前と思っていた私が、
自然農法の大根を食べて衝撃でした。
「すごく美味しい、こんなすごい大根って」

ミニトマトのハウスの中の山本さん

奥様の親戚の結婚式で披露されたのが、自然農法で作った大根。
「すごく美味しい、こんなすごい大根って。
人の気持ち、意識を変える野菜って何だろうって衝撃を受けました。」

トマトの相場が大暴落。
農協に出せば出すほど赤字・・・

私は新規就農者で、2軒の生産者のもとで4年間学びました。
慣行栽培で、農協に出荷してというのが当たりまえと思ってやっていました。

慣行栽培とは?

農薬や化学肥料を使用する従来型の栽培のこと

そんなとき、トマトの相場が大暴落したんですよね。
人の言いなりというか、農協が100%大丈夫だからっていうので出荷したのに、出せば出すほど赤字だった。
これでは生きていけない。
何か付加価値を付けて売っていかないと思っていたときに、自然栽培の大根を食べたんです。
「こんな野菜食べたことない。どうやって作るんだろう、よし、有機栽培や自然栽培を勉強してやってみよう」って。

当時、有機農業している方は周りにいなかった。
本当に試行錯誤です。

富良野は盆地で、ちょうど北海道の中央にあり山に囲まれています。
当時、有機農業をしている方が私の周りにはいなく、教えを請う人がいませんでした。

「化学肥料から有機肥料に変えればいいのかな?」って、最初はそれしか思い浮かばなかった。(笑)

本当に試行錯誤です。

トマトとアスパラも栽培していたんですが、全滅してその年の収入がなかったっていう年もありました。

実が色づいてきたミニトマトのアップ

大怪我で1年入院。
それも下の子がお腹にいる時に。

トマトが大暴落で、心折れまして。
その次の年かな、私が農作業中の事故で大怪我いたしまして。
それも、一番下の子がお腹にいる時にだったんですね。

生死をさまようような怪我で、1年間入院したので、わたしは農業をやれなかったんですね。
そのとき、子どもを生んだばかりのうちの妻が「農業は続けたい」と言ってくれて。地域の皆さんに説明して、縮小しながらも一人で頑張ってくれました。

あのとき、妻が諦めてたら今はなかったですね。感謝です。

腐るトマトと発酵するトマト⁉
自然の生態系で育てたトマトは腐らない

トマトは、湿度によって皮が割れたり傷がつくと出荷できません。
出荷できないトマトは、こうして畑の横に集めています。

自然の生態系で育てたトマトは、腐らず、発酵します。

「自然の野菜は腐らない」 河名秀郎 朝日出版社
この本には、【なぜ、自然栽培の野菜は腐りにくく発酵しやすいのか】ということが書かれています。野菜も生きている間は身を守るために菌を寄せ付けませんが、収穫後は菌が増殖していきます。そのときに野菜が発酵菌(人間側から見て役に立つ菌)にとって住みやすい環境だと発酵菌が優勢になり、腐食菌を押しのけ発酵が始まる。一方、腐食菌が優勢の場合、腐食が始まると述べています。

ミニトマトのハウスの中の山本さん

発酵したトマトを、また土に還元する。
微生物が繁殖しやすい環境を整えてやることが、土づくり成功の鍵。

シーズンが終わったらビニールハウスを閉じて、冬支度をします。トマトの木や出荷できなかったトマトを土に混ぜて、雪の下に置きます。

これは他の農家さん(化学肥料を使っている)ではできないことです。

冬の間、雪の下で微生物が完全に分解してくれて、春、雪が解けると繊維だけ残り、ぱりぱりになています。それを土と一緒に起こすというやり方をしています。

難しいことはわからないけど、微生物が繁殖しやすい環境を整えてやることが、土づくり成功の鍵だと思います。

今、この畑は化学肥料どころか有機肥料も一切入れていません。
うちで育てたトマトを土に落として、還元して、またそこにトマトを植えてっていう繰り返しを毎年しています。

たわわに実る山本さんのミニトマト

1年の入院期間は、死が日常。
もし元の生活に戻れるなら、正直に、本当に体にいいものを追求していこうと思いました。

入院中は、昨日まで隣りにいた方が亡くなるという、死というものが「日常」、それまでの人生では「非日常」の一年でした。

そんな中で、食生活っ大事なんだなって。
自分の使命というか、農家の役目というのは、健康的な野菜を提供することだって強く思いました。

私は、化学肥料を否定しているわけではありません。
経営的に成り立たないと農業は続けられないから。

化学肥料も必要な時もあると思うんですよ。
農家は農業ですから、「農」の部分と「業」の部分があって、食べていかなきゃいけないわけですから。
化学肥料で野菜を大きくして、多く収穫して収入を上げることも全然否定しないし、必要だと思います。
私もそう思ってやっていたし、でも化学肥料や農薬を使わなくてもできることも分かったし、私の作った野菜を求めてくれる人がいるから、成り立っています。

笑顔の山本さん

人手不足で畑を保っていくことが大変なんです。
やり方を知りたい方があったら、全部お教えします!

今、私は富良野の町にも貢献したいと思って新事業も立ち上げています。
だから農業は、妻ともう一人の方とほとんど二人でやっています。

もしこの自然栽培のやり方で野菜を作ってみたい方がいたら、幾らでもお教えします!!
化学物質が過敏性の方や自然栽培の野菜を求めてくださる方が多くおられます。

ただ植えて、自然と調和させる循環を意識してやっているだけなので、難しくないはず。
ぜひやる気のある方に伝えたいですね。

陽がふりそそぐミニトマトのハウス
教えて! ミニトマトのこと

「ミニトマト」は、一般的なトマトよりも甘みが強く、果汁が多くてジューシー。リコピンやビタミンB6などの栄養価も高い健康的な野菜です。

▶トマトとミニトマト|栄養素が約2倍の差

トマト ミニトマト
β-カロテン(㎍)540960
ビタミンC(㎎)1532
トマトとミニトマトの栄養素の比較(100g当たり)

ミニトマトって、じつはすごいんです!
強力な抗酸化物質・リコピンは細胞を酸化から守り、悪玉コレステロールの酸化を防でくれる身体に嬉しい野菜です。

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