お米

#お米 生産者Story|北海道夕張郡栗山町|

  • 特別農法

おいしさ【折り紙付き】のお米

田んぼの井上さん

創意工夫でおいしいお米を作る
井上さん

ANAファーストクラスや料亭などに選ばれる井上さんのお米

苫小牧のごはん屋さんに卸しているお米が評判を呼んで、直接買いたいと連絡がくる。
丹精込めて作ったお米を食べてくれた人が、味を評価してくれる、そんな声を直接聞けるのが励みになると笑う井上さん。
「お米の食味ランキング」で13年連続で最高ランクの「特A」を受賞した北海道米の最高級ブランドである「ゆめぴりか」。その生産者の中でも、なぜ井上さんのお米は評判なのか。井上さんにお話を伺いました

おいしい米を作りたい。

【味が乗る米】その思いで30年やっています。

私が一番考えているのは「米の味」ですよ。味にこだわってやってきている。
「おいしい米を作りたい」っていう、その思いで30年やっています。

化学肥料ばかりでなく有機肥料という自然由来のものを使っていてね。
お米だけでなく野菜も作っているけど、有機に準じた栽培や低農薬、特別栽培で作っています。
そのほうが、米や野菜の味が乗るというか、バランスが良くなりますね。

井上さんの青々とした田んぼ

糖、脂質、香り
味のバランスのいい米を目指しています。

ご飯の味を決める成分として、糖や脂質、香りの成分などがあります。

例えばトマトは、甘味と酸味のバランスがいいと美味しい。調和のとれた作物が消費者に好まれますね。
糖度などの目安はありますが、食感や風味などいろんな要素があるので、バランスのいいものを作りたいと考えています。

水稲栽培のこだわりは、側条施肥をやらないこと。
北海道の米農家の90%はやっているけど、私はやっていない。

私が一番人と違うのは、側条施肥をやっていないことだと思うよ。
側条施肥と言って、田植えの時に稲の株元に肥料をやる。
他の農家は、1年間で使う肥料量の3割〜5割を入れていると思います。
今の機械は、田植えの時に株元に肥料を一緒に落とす仕組みになっているけど、私はそこをやってないない。
北海道だったら90%の農家はやっていると思うけど、そこでまず成育の違いが出るんだと思います。

稲に触れる井上さんの手

稲の初期成育の時に窒素量が多すぎると
株の本数が増えすぎて無効分げつが増える(茎が死ぬ)。

初期生育が旺盛なときに、株の根本に肥料を入れると早く吸いすぎてしまいます。
ちょっと専門的なことになっちゃって難しいかもしれないけど、稲って一株を単位に育ちます。

1本の苗は、100本くらいまで増える力がある。

分げつ(ぶんげつ:茎の根元から新しい茎が出てくること)っていうんですが、混みあってくると競争ですよね。稲自身が「全ての茎を育てられない」って判断して死んでいくというか、最後まで穂をつけて実らすことができないんです。

だから私は、ゆっくり分げつを取れるように、施肥の方法を工夫しています。

深水栽培で稲の生育を制御。
弱い茎の発生が抑制され、太く、がっちりした稲に

田植えをしてから20日位から、田んぼの水位を10cm以上の水深で一定期間保つ「深水栽培」をしています。
深水栽培にすると、弱い茎の発生が抑制され、水圧のストレスで茎は太く、がっちりした稲になります。

毎年、試行錯誤ですけどね。

苗の本数を増減させたり、株間の間隔を変えてみたり。
間隔が広い方が稲の葉が広がり、光合成の力で美味しくなる。
北海道では分げつは取れづらいという考え方が一般的だけど、私は本州型の作り方をした方が品質はよくなると思う。

田んぼに佇む井上さん

日本人に、ご飯を食べてほしいね。
糖質や炭水化物制限やダイエットのブーム以来、何かと悪者にされたからね。

ご飯は日本の食文化の象徴でもあるし、じつは栄養豊富なエネルギー源なんですよ。
炭水化物は悪者にされがちだけど、体の基礎代謝を高めるし、ビタミンやミネラルが豊富なお米は、「秋田美人」とも言われるように美肌にもいいしね。

心配なのは、年々お米の生産量が減っていること。
みんな漠然とした危機感を持っていると思うけど、日本の食料自給率にも大きな影響を与えています。
国産のお米を積極的に食べることで、農業を支えてくれたり、食料自給率の向上にも貢献できると思うので、もっと日本人に、ご飯を食べてほしいですね。

日差しを浴び青々と育つ井上さんのお米

私は入植4代目。後継者もいます。
農家は大変だが嫌だと思ったことはない。

子どもも農業を継いでくれています。
私は、入植4代目で親や祖父の姿を見て育ったけど、大変だけど嫌だと思ったことはないね。
やりがいはある。仲間たちと情報交換したり、自分なりの試行錯誤の繰り返しだが、結果はついてきている。

売ることのほうが、大変だね。

田んぼに佇む井上さん

食の安全、安心。
「価値」よりも「価格」を優先する市場

食の安全、安心への関心が高まっているけど、「価値」よりも「価格」を優先する市場の影響を受けやすいのも農業。

でも、「一度食べてもらったらわかる」と信じて、今日も水田を見回っています。ここには、山があって、土があって、水がある。そして代々、畑を作り、田を作った。この自然の循環を大切に守っていきたい。

「もっとご飯を食べてほしいね」

井上さんの青々と育つ稲
教えて!お米 のこと

お米はエネルギー源となり、体に必要な栄養をバランスより含んでいるため、主食として重要な穀物です。

栄養エネルギーになる「炭水化物」、代謝を促す「ビタミンB群」、消化を助ける「食物繊維」、筋肉や細胞をつくる「たんぱく質」。

食物繊維は、白米より玄米のほうが多く含まれます。

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